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――濃藍に染まった夜空に、星々が煌めく。
いつの間にか冷たさを孕むようになった風に吹かれ、白く明滅を繰り返す星々を、言葉もなく、ただ見上げていた。
まだ、夜明けには早い時刻。
だが、星空に浮かぶ膨らみを増した弦月は、いまだその存在を見せつけるように白銀に輝きながらも、地平の向こうにその姿を隠そうとしていた。
「――あと三日、か」
ぽつりとこぼれ落ちた呟きが、風の音にまぎれていった。
早いような、遅いような。
そんな矛盾した感慨が、じわりと胸中に湧き上がってくる。
次の満月まで、あと四日。
つまり、私が神殿へと出向く夜は、三日後になる。
そして、あの夜から、ちょうど三つめの月が過ぎ去ることにもなるわけだ。
神の贄となることが決まっている『白の少女』を初めて目の当たりにした、あの日――――ルリーシェとの出逢いの夜。
あの運命の出逢いから三月が過ぎ去り、季節がまた移り変わろうとしている。
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