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……あぁ、そうか。
ミネア様とレイド。祭壇前で並び立つふたりを交互に見ているうちに、唐突に納得した。
そうだ。フードだ。
今、レイドは黒衣のフードを上げている。
だから、髪の色に気づけたのだな。
「カルス。悪いが、先にこちらを確認させてくれ」
カルスからの問いに、まだ答えていないことは承知している。
が、私にとっては好みの女人の話題よりも、こちらが優先順位は上だ。
「レイドのことなんだが。
以前、彼はミネア様の縁戚に連なる者だと言っていたな。
とすると、ユミルやトールと同様、ご実家の家令の血筋に当たるのか?」
「レイドですか? いいえ。彼は、ユミルたちとは血筋が違います。
レイドは、先代の大臣の子です。
先代が壮年で亡くなった後、その弟、つまり母上の父が大臣になりました。
ですから、母上とレイドは、従兄妹同士なんですよ」
「従兄妹、か……。
それは、初耳だ」
ミネア様のご実家は、代々、大臣を務めている、国の有力者の家柄だ。
なればこそ、隣国の姫であった私の母上亡き後、側妃から正妃に上られるのに、反対の声は上がらなかったと聞いた。
まぁ、既に第二王子であるカルスをお産みになられていたのだから、当たり前だが。
しかし、問題はレイドだ。
先代とはいえ、その大臣家の血筋であるレイドが、なぜ神殿に入り、神官になっているのだろう。
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