3 多頭竜顕現

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歩を進める自分の前で、軍兵たちが道を開けていく。 次々と兵たちが動き、まるで波がふたつに割れたかのように、私が進むための道が出来上がっていく。 開かれたその道の向こうに、貴賓席が見えてきた。 皆、立ち上がっている。 父上。ミネア様。そして、カルス。 先程、ルリーシェに向けたものとは別の笑みが、自分の口元に浮かんだのを自覚した。 ルリーシェ。 これから先、あなたを想う度、呼びかけるための名を私に教えてくれてありがとう。 それがどれほど短い期間だとしても、私はその度に心を込めて呼びかけるだろう。 私欲のために創造神の使いに手をかけてしまった私は、きっと罪人(つみびと)として裁かれる。 もう二度と、私があなたと相見(あいまみ)えることはないのだ。
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