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「っ・・・さいっ!!」
「・・・から、・・・け!」
ん?
騒がしい
「な、に」
あまりの心地よい空気に寝てしまっていたことに驚きつつ、この騒ぎの原因はなんだと目を開けた
「よ、久しぶりだなサク」
「なんだウィズか」
青い髪に黄色の目、身長は俺と同じくらいで175だろう
大きく開いた目と、笑うと覗かせる八重歯が無邪気な雰囲気を出している
こいつは俺が学園時代、会長やっていた時の副会長で、今はギルドのマスターもやっている
まあ、ようは強い
この雰囲気に絡んだやつが何度返り討ちにあっていたことか
まあ俺がこの世界に来た時に、お世話になったマスターの息子ってこともあってかこの世界では1番信用しているとは思う
この家を囲む結界に入れるのも、こいつとこいつの親父だけだしな
「なんだとはなんだ!久しぶりの親友に対して失礼だろー!」
「はいはい、うるさい、黙ってろ」
適当にあしらいながら、ふと先輩がいることを思い出し目を向けた
「先輩、どうしました?」
泣いていた
涙が流れたわけではない
でも顔が、先輩が纏う雰囲気が、何より先輩の目の奥底が悲しみで染まっていた
なんでそんな顔してるのか分からなくて、焦りが積もった
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