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「手貸して、移動するから」
差し伸べた手に乗せられた綺麗な手をぎゅっと握
り、数年ぶりのあの国へ転移をした
転移は実は難しいようで簡単ではある
やり方にもよるが、魔法陣なら一つの魔法陣に転移先の情報を組み込むか、転移先に魔法陣を書いておき繋げるかの二つが主な所だ
魔法なら想像力による
例えばなんとかドアのように開けばその場所がとか、目を開ければ移動しているとか、次元をこじ開けて移動など、より具体的に出来ればそれだけ負担も少なく簡単に出来るものだと俺は思ってる
他の奴らは知らねえが
ちなみに転移は属性によっても仕様がかわる
それはまたいつか時間があれば説明すると思う
移動先は国の端、城壁付近だ
俺は眩い光に覆われ目を開ければ望んだ場所があるって言うのが1番やりやすかった
ちなみにこの転移、人によっては酔うこともあるらしい
俺は全くないが
「気持ち悪くないか?」
「まったく」
一応と思い聞いたが飄々とした先輩にさすがとも思うが弱点はないのかな、なんて思ったりした
「ここはもう国内なのか?」
ローブで顔は見えないが頭が動いているので恐らく周りが気になるんだろうと思う
「ああ、だが都市部からは大分離れてるから治安は悪い
だからあんま離れんなよ」
ここはいわゆるスラムってほどではないが日々生活に苦しむ人が多くいる
そのため盗みも多く、時には暴力沙汰、ひどい時は魔法を使い家が何件か崩れるというのも珍しい話ではない
いくらレイさんが喧嘩が強かろうが魔法の前では関係ない
まだ魔法を使えないレイさんにはここは危険な場所でしかないのだ
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