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レイさんと繋いでた手が思い切り握られ、どうしたかと振り向く前に、レイさんの体が俺の前に出た
手は握られたままだけど
「あのさぁ昼間からこんな所で飲んでる君たちが忙しいとは微塵にも思わないし、ましてや話したこともない人の噂とかを本人の前だっていうことも気にせず騒ぎ立てて盛り上がれる暇人なのもよく分かった
でもさぁこいつ俺の大事なやつなの、これ位で傷付く奴じゃないけどさ、気分は良くないよ?俺
大体大人としてどうなの?こいつはこの国のために色々したのに、それを恩にも思わずこうやって不快にさせて、何歳のガキだよ
子供いるやつもいんでしょ?こんな親の元で育った子供なんて将来がしれてるよ
そりゃどんな噂たてられてもこんな国出ていきたくなるね
俺は初めてここに来たけど、よく分かったよ、国民性ってやつ
教えてくださってありがとうございます
ほら、行くよ」
言うだけ言って上へ登っていく先輩と引っ張られる俺、着いてくるウィズ
驚いた
普段口数少ないレイさんがあんなに喋るのも
俺を大事なやつって言ってくれたのは嬉しかった
前を歩く背中にふっと笑いながら繋いだ手に指を絡ませれば
レイさんがギュッと指を絡めてくれた
この手は何時まで俺の手を握ってくれるのかななんて思いながら、更に握り返した
後ろでそんな俺らを見てたウィズの顔が苦かった
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