お出かけ

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レイさんも同じように自分のカード血を流し、寝ているラックの指を軽く切り無事ギルドカードを貰うことが出来た 「それ、再発行は出来ないから絶対無くすなよ!」 分かった分かった頷きながらカードについての話を聞いていた 依頼の受け方は変わらずギルドの受付で受けるんだそうだ そんな感じで小一時間ほどで話は終わった 「んじゃ、またなー!!」 手を振るウィズに背を向け、未だ寝ているラックを抱えたレイさんの手をとって転移した なんでも帝王がいると聞きつけた奴らがギルド前に押し寄せているらしく、危ないからとギルド内から帰った 昼間に出て帰ってきたのは夕方 家の周りは森みたいになってきてはいるが少し移動するとすぐ荒野が見えてくる これからの計画を考えるとここら一体が森になるのも遅くないと思うと楽しく感じる そこにレイさんもいるから余計に 木々の隙間から入り込む暖かな夕日を眺めながら、少し先の未来を思い描く 「どうした?」 先に家に入ったレイさんが遅い俺不審に思ったのかドアから顔を出し声をかけてきた 高校の時よりほんの少し伸びた身長、長い足とバランスのいい身体はモデルみたいで、少し長い黒髪を最近は結っていて美人さが増したと思う 前は目が悪くたまに眼鏡を掛けていたがこの世界に来て良くなったらしくかけなくなったの少し残念だ でも笑い方がなんか倍に綺麗になった弧を描くように上がる口角も少し赤い唇も、細まる目も伏せられる長いまつげも 一つ一つが俺を捉えて話さない 10年なんてレイさんの魅力をあげるための年月でしかない 「いや、なんでもない」 レイさんの笑顔一つで幸せって思える俺はヤバイかもしんないな
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