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「サク、これにする」
先輩が選んだ刀を見てつい笑ってしまった
「なんだ、これは悪いやつだったか?」
そんな俺を不審げに見るレイさん
手に持たれた刀は普通の刀に比べれば少し短い
しかし刀身を飾る薄い桜とポツリポツリとある雪は最高級の技術が現れた超貴重なものだ
またその素材も最高級のものを使っているため恐らく世界最高の刀であると俺は思っている
そして何より
「その刀、俺の武器と兄弟なんです」
実はこの刀は龍の里に直々に向かい、いろいろあって貰った鱗や爪をドワーフ一の錬金の腕を誇る者に渡して作ってもらった、一品ものだ
しかし刀はこの世界では身に慣れないようで、初めて作るらしく、形や特徴、など俺のわかる限りで伝えた
作り始めは順調だったのだが、刀身を長く作りすぎたようで途中で先の方が折れてしまったのだ
それで約束した日に渡されたのは今レイさんが手にしている長刀と、俺が愛刀している短刀だ
違うのは長さと鞘の模様
長刀には巻き付くような龍をが描かれており
短刀には花が描かれている
レイさんに俺の刀を鞘から抜いて見せながら説明すれば
「手入れが行き届いてるな・・・美しい」
刀に光を当てうっとりし気味な姿に苦笑い
「まあこだわりましたからね」
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