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「その刀も手入れは欠かしてないから切れ味は落ちていないはずだ」
本来はそっちの刀を使うつもりだったんだが、意外と短刀の方が使い勝手がよく、接近戦を好む俺としても短刀の方が合っていた
そのおかげで半身ともいえるあの刀をレイさんに渡せるのだからいいことなのかもしれない
「そんないいものがあったのなら、選ばせずに出せば良かったのに」
「いや、やっぱり人によって好みもあるから、そうもいかねえよ
でも気に入ってくれたのなら良かった」
また一つレイさんとの繋がりが増えた気がした
「それじゃ早速始めるか」
やり方は至って簡単だ
先ほど俺が書いた魔法陣の上で武器に血を垂らせばいいだけ
「血好きだな」
「血は変えられない確実な証として使えるから、基本重要なものは大体血を使うんだよ」
ギルドカードの作成でも使うし、他にも使い魔契約とかでも使うな
ふうんと言いながらもあっさり手首を軽く切り刀身に垂らすレイさんに、思い切りすげえと思いながら見守っていた
僅かに光を放つが数分で収まった
「終わったみたいだ」
「僅かではあるが軽くなったな」
感触を確かめるように振り始めた
魔武器は所有者が持つと本来の重さより軽く感じるのだ
人によっては重くもなるとか
ようは所有者が1番扱いやすい重さになるんだ
「本来は名前をつけるんですけど、そいつには既に宵って名前があるので後で魔力を流しながら呼びかけてやれば、多分いろいろ教えてくれるんで」
「宵・・・いい名だな
それにしても教えてくれるって言うのはこの武器がか?」
確かに日本では考えられない話だ
でもこの世界では本来意思の無いものが突然魔法を使ったり、話したりする事例がある
分かりやすい例えだとつくも神に似ているだろう
「なんていうか、本当にあるんだな・・・ファンタジーだ」
ファンタジーですからね
しみじみという感じにじじいかと言いたくなった
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