笑顔のために

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「久ぶりだなー小僧っ!」 「まだ生きてたのかクソジジイ、小僧言うな」 「なあに儂からしたらウィズもお前もまだまだひよっこの小僧じゃ」 ガタイのいい50くらいのじじい がははと大口開けて笑うこいつはウィズの父親で俺の親代わりでもある 「急に連絡を寄越せば保護してるやつを寄越せとは、儂はびっくりして腰が曲がるかと思ったわい」 ギルドの仕事の一つ闇市場の撲滅 その中でも特に重きを置くのが奴隷解放だ 奴隷は獣人などの身体能力の高いものは労働力として、エルフなどの容姿端麗なものは性奴隷として扱われる ギルドでは金カード以上、つまりは二つ名を持つものでペアを組み闇市場に乗り込み、解放した奴隷を故郷へ返すか、保護するのだ その保護したものが実は最近増えてきて、ギルドの空き部屋がなくなってきていることを元ギルドマスターである親父に相談され、こちらで預かることを決めた 家に住まわせるわけではない 森に放つ予定だ 土地神には許可を得た 「どうするのかはしれんが、人間として誇りある行動を心がけるようにするんじゃぞ、分かってるの?」 優しく聞こえるが目は狩るものを見るかのように俺を射抜く 恐らく生き物を物のように扱うなと言われているんだと思う この奴隷解放に1番力を捧げてたのはこの親父だったから その元奴隷達を俺に預けるって言うのは結構踏み切ってくれたと思う 感謝しても感謝したりない、
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