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「あなた、マスターの息子さんなんですってね」
「ああ、義理だがな」
「あら、そうなの?私たちと同じじゃない
私達吸血鬼は皆闇から産まれるの・・・そしてその闇の大きさで力が変わるの
だから闇からという意味では皆兄弟、でも他人だわ」
複雑ね・・・
30人にも登る元奴隷達の先頭を歩く吸血鬼の女性イリアはいろんな話をしてくれた
主なのは吸血鬼の話だがとても面白い
吸血鬼の中でももっとも強いヴァンパイア王は新月の夜に深い深い森の奥で産まれたたのだとか
本当に闇から産まれた吸血鬼はとても強く、その力は他の吸血鬼と桁違いらしい
弱い吸血鬼は生き物の心の闇など変化や強さが変わるものから産まれたものらしい
しかも吸血鬼は産まれた要因に強く影響を受けるため、そういう心の影から産まれた吸血鬼は感情にかられやすくなり、殆どは1年も持たずに意識を保てずに灰になるのだとか
イリアはああ見えて真の闇から産まれた吸血鬼らしい
しかも満月の光の影から産まれたから満月にも強い、かなり上級の吸血鬼らしい
それなのになぜ捕まったのかというと
ありがちな話だと思うがあっては行けないこと
知り合って仲良くなった人間、何ヶ月と過ごし心を開いていた親友のような人
そんな人を奴隷商に人質に取られて、力の強い自分がと思い、その子を逃がし捕まった
しかし後から分かったのは全てが仕組まれていた事だったこと
イリアを奴隷にするため、近づき、仲良く、それを利用して捕まえる
クソみたいな話だ
だけどそんなことがあってもこうやって、俺に話してくれる
単純に呑気なのかもしれないしけど、悪くないと思う
本来は夜の世界に帰るはずらしいイリアだったが、周りを気にするのも疲れるためギルドで保護してもらっていただけらしい
でも俺には信じたいって気持ちを強く感じられた
だからきっとこの人はまだ諦めていない
俺もイリアのように、真っ直ぐな気持ちが欲しかったな
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