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「もちろん見合いの話は腐るほどあったが、どの女も金と権力しか見ていないのが丸わかりすぎてな」
確かにそれじゃあ嫌にもなるな
「それにしてもこの世界には不思議な力があるのだろう?
こちらで過ごす方が興味深いし精神的にも落ち着いた生活が出来そうだ」
先輩がそれでいいなら別にいいが
それならどっかの国に送ったほうがいいか
こんな森と荒野しかない場所よりは、先輩の力も生かしつついい生活が出来るであろうし
なにより俺が落ち着けない・・・
「それじゃあどこかの国に送るんで、どんなところがいいですか?」
それに対し、先輩は何故か不思議そうにしてるし
「お前は一緒じゃないのか?」
一瞬びっくりした、あの先輩が誰かと共にいるのを望むかのような言葉
それが自分に向けられている
にやけそうになるのを抑えて
「俺はこの世界では危険人物みたいになってるので、先輩と一緒にいたら、先輩にまで危害が及ぶ可能性もありますし、得策とは言えないですね」
そういえばふむ、と考え込む先輩
そんな先輩を横から見て、やっぱり綺麗だと思いつつ
好きだなと思う
報われない恋だ
歳考えろよ自分、って自分に訴えかけてまた先輩をこっそり見た
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