ようこそ下田へ、キュアナルキッス登場

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ようこそ下田へ、キュアナルキッス登場

「うわ~、海がキレイな街だね~」 妃風花(きさきふうか)は車の中ではしゃいでいた。 病院で働くパパの転勤の都合で静岡県下田市に引っ越すことになってパパの運転する車で下田に向かっている。 車は河津桜で有名な河津町を抜けて海岸沿いの道に出た。そこはとってもキレイな海が続いている。夏になると大勢のお客さんがやってくる有名な海水浴場だ。 「本当、ステキな海ね」 ママも海の景色に感動して風花と顔を見合せて微笑み合う。 「ごめんな、パパの仕事の都合で友達と離れてこんな遠くの街で生活することになって。寂しくはないかい?」 パパは風花を気遣ってすまなそうにしている。 「ううん、平気よ。同じ空の下だからみんなにはまた会えるし、このキレイな海の街ではステキな出会いがある予感がするんだ」 風花は海を見ながら笑顔で応えた。 この4月から中学2年生になるタイミングでの引っ越しとなったけど、新しい街での新しい生活を思うとわくわくしてくる。 海沿いの道が終わるとホテルやお店が見えてきて、いよいよ下田の街に入る。 この道をまっすぐ行くと伊豆急下田駅とか中心街に向かうのだが、車は左折して急な坂道を登って須崎の方へ進む。 病院から当てがわれた社宅は須崎の海が見下ろせる所にあるのだ。 「うわはぁ、海が見下ろせる家ってなんだか憧れてたんだ。なんだか楽しくなりそう」 引っ越しのトラックも到着して荷物をテキパキと運び入れてくれる。風花もはりきって机やテレビの定位置を決めてキレイに片付ける。 片付けが終わるとパパが車で街中まで自転車を買いに連れていってくれた。須崎まで行くのには道が険しいから電動機付自転車にしてくれた。 「ありがとう。海を見ながら自転車を走らせるのってなんだかステキ。大切に乗るからね」 パパとママは当面の生活用品とかを買いに伊豆急下田駅の近くのマックスバリュや駅前の東急ストアで買い物をしてから帰るので、風花は下田の街中を見てから自転車で帰ることにした。 「一人で大丈夫かい?」 「うん、初めての街だけどガイドマップもゲットしたし、帰り道は大体覚えたわ。坂道も電動機付だから大丈夫」 にっこり笑顔でパパとママと別れて風花は下田の街中に自転車を走らせた。 「うわはぁ、スゴい。この街にはキラキラさんがいっぱいだよ」 風花には下田の街のあちこちがキラキラ光って見えた。
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