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「ん? 試合放棄?」
彼女はトンファー女を睨みつけると、
「テメェは、今度――テメェのためにあつらえた武器で、直々にブッ殺すッ」
「うわ、怖ぁ…」
彼女はそのまま窓に向かうと、もう一度振り向き、
「首洗って待ってろ――ドログチャにするまで忘れねーぞ、その面?」
と言って、窓を蹴破り、そこから飛び降りた。
「なんか変なのに目ぇつけられたなぁ?」
トンファー女は髪をかきあげ、特に気にする様子もなく「ま、いーか?」と流した。
「賞金首の命と金を軒並み奪っといて、どこまで意地汚いんだか……ねぇ?」
同意を求められた青年は、懇切丁寧に頭を下げた。
「あの、どうも危ないところを?」
「礼には及ばないって、困ったときはお互い様だし―――あたしも同類だから?」
彼女は捕獲用の手枷を手際よく一瞬で、青年にハメた。
「あいつと違うのは、いたって良心的に、平和的に引き渡して換金するだけ」
「……」
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