4人が本棚に入れています
本棚に追加
二人は連れ立って歩き出した。
「でも、このままで平気なんですか?」
「処理班の検死は正確だから、あいつが殺ったっていうのはちゃんと立証されるよ。で、その後、然るべき金があいつの懐に入る」
「そういうシステムなんですね?」
「まぁ賞金首ならみんな殺して許されるわけじゃないけど、今回のは明らかに分かりやすいゴロツキだからね。私の目的はあんただったし、それまでは勝手にやってくれって感じだったけど、あんたを殺されそうになったから」
「…そうですか」
そうして、その車両を出て、通路を経て次の車両への扉をヒトミが先立って開けた。
「それでさ――うっ…」
突如、ヒトミに赤い靄がかったものが絡みついた。
中には、一人の男が中央に立っていた。
「ヒトミさん!?」
「よう、待ってたぜ? そっちは客席の最後尾だから、こっちに来るのは分かってた」
最初のコメントを投稿しよう!