第1話

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二人は連れ立って歩き出した。 「でも、このままで平気なんですか?」 「処理班の検死は正確だから、あいつが殺ったっていうのはちゃんと立証されるよ。で、その後、然るべき金があいつの懐に入る」 「そういうシステムなんですね?」 「まぁ賞金首ならみんな殺して許されるわけじゃないけど、今回のは明らかに分かりやすいゴロツキだからね。私の目的はあんただったし、それまでは勝手にやってくれって感じだったけど、あんたを殺されそうになったから」 「…そうですか」 そうして、その車両を出て、通路を経て次の車両への扉をヒトミが先立って開けた。 「それでさ――うっ…」 突如、ヒトミに赤い靄がかったものが絡みついた。 中には、一人の男が中央に立っていた。 「ヒトミさん!?」 「よう、待ってたぜ? そっちは客席の最後尾だから、こっちに来るのは分かってた」
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