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「もう一つの車両で待機してたが、やっぱりこっちで張っとくべきだった。嫌な予感がしたんだ。中を覗いたら、全員が血の海に伏せた中でお前らが話してた」
男はヒトミを指差して言った。
「お前には見覚えがあった。こいつだけは絶対、確実に仕留めようっていう覚悟が出来たぜ? だから作動させた」
ヴィムは弁解した。
「ちがう、殺ったのは―」
「ムダ、変わんないよ。こいつらからしたら、仲間を殺った賞金稼ぎ=生業にしてる奴らはみんな敵って感覚だから?」
「そういうことだ。そして、お前らヤバいほどの体術バカ揃いだもんな? そっちのベクトルじゃ敵わない」
男は笑っていた。ヤケクソのようだった。
「だから、想定してきた―お前らでも対策を取れない手段をな?」
男の体から出ている赤いツタのような瘴気はますます禍々しく、ヒトミに絡みついた。
「こいつ……一撃特化型の呪力を?」
「そう――賞金稼ぎ一択の限定特化だ」
「捨て身の…呪力…?」
ヴィムがいぶかしげに聞いた。
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