第1話

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「もう一つの車両で待機してたが、やっぱりこっちで張っとくべきだった。嫌な予感がしたんだ。中を覗いたら、全員が血の海に伏せた中でお前らが話してた」 男はヒトミを指差して言った。 「お前には見覚えがあった。こいつだけは絶対、確実に仕留めようっていう覚悟が出来たぜ? だから作動させた」  ヴィムは弁解した。 「ちがう、殺ったのは―」  「ムダ、変わんないよ。こいつらからしたら、仲間を殺った賞金稼ぎ=生業にしてる奴らはみんな敵って感覚だから?」 「そういうことだ。そして、お前らヤバいほどの体術バカ揃いだもんな? そっちのベクトルじゃ敵わない」 男は笑っていた。ヤケクソのようだった。 「だから、想定してきた―お前らでも対策を取れない手段をな?」 男の体から出ている赤いツタのような瘴気はますます禍々しく、ヒトミに絡みついた。 「こいつ……一撃特化型の呪力を?」 「そう――賞金稼ぎ一択の限定特化だ」 「捨て身の…呪力…?」 ヴィムがいぶかしげに聞いた。 
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