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「いやそんな……腫れものあつかいしなくても―」
金髪青年の声を後にヒトミはヴィムを追った。その、思いがけない足の速さに驚かされた。
だが、金髪青年は、彼らをあっという間に抜き去り、「傷つくなぁ…?」と言って思いっきりヴィムにヒザ蹴りを入れた。
「ぐっ…」
「速い!?」
「顔見た途端に逃げなくても――でしょう?」
続けざまにもう一発、蹴ったが、ヴィムは紙一重でかわした。しかし、一撃目が効いてるようで、立ち上がれない。青年が追い打ちをかけようとしたので、ヒトミは駆け寄った。
「やめなよッ 一方的に!?」
ヒトミはトンファーを青年の背後から振りかざした。
が、彼は振り向きもせずに、どこからか素早く出したナイフで受け止めた。
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