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すると、ヴィムが青年に殴りかかった。
青年は「お」と言ってひらりとかわした。ヴィムはヒトミを介抱する。
「大丈夫ですか?」
「ありがと」
青年と二人は対峙した。青年はニッコリと笑った。
「ああ、紹介が遅れました。僕、アレンって言います。殺し屋やってます」
恐ろしく整った顔で彼は、少しいぶかしげに首をひねった。
「でもなんか、様子がおかしいですね。動きはまた少し良くなりましたけど…それとは別の…ハッキリとは言えないけど、今までにない―」
すると、閃いたように指を鳴らして言った。
「ああ! ひょっとして――また何かを吸収しました?」
ヒトミとヴィムは核心を突かれ、たじろいだ。
「はは、やっぱり? そりゃあめでたい! 素晴らしいじゃないですか?」
アレンはまくし立てたが、ノリとテンションが場違いすぎて、不気味だった。
「どんなことが起こりますかねぇー今度は?」
「今度?」
ヒトミが聞き返すと、アレンは、
「ああ、それも聞かされてないんですか? でも、勝手に言っちゃっていいのかな、これ―」
「何…?」
「いや彼は、以前に――」
ヴィムはその一瞬で、アレンとの距離を詰め、殴りかかった。
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