第2話

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しかし、空を切った。 「秘密にしておきたいんですか?」 ヴィムが横を向くと、アレンは逆さになって、空中で手を広げていた。 「別にそれならそれで、告げ口とか柄じゃないですけど―まぁ」 その状態からヴィムにオーバーヘッドキックを入れた。 「ぐっ…」 「こっちの”干渉”にも付き合ってもらえるなら?」 着地し、立ち上がったアレンに、ヒトミは再びトンファーを振り上げたが、避けられ、簡単に後ろを取られた。 「…できますよ?」 「え?」 背後から、耳元でアレンが囁く。 「彼の呪いは色んなものを、吸収できます。本人は全く活用する気がありませんが」 ヒトミはトンファーを後に振り回したが、アレンは大きく後方に飛んだ。 ヒトミはそのタイミングでアレンに催涙弾を投げた。 目眩ましだった。 そのまま、ヴィムの手を取ると、高台から飛び降りた。 下は鬱蒼とした雑木林になっていた。 アレンは煙を手であおぎ、上から見下ろしながら、呟いた。 「あーあ、まだ肝心なことを伝えてなかったのに――慌ただしい人たちだなァ?」
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