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その数十分後、二人は、外観は人が住んでいてもおかしくないような空き家に身を潜めていた。
「うちの縄張りの近くでよかったよ。シェルターの場所把握してるから?」
「シェルター?」
「私たち賞金稼ぎがネットワークで共有してる緊急避難の空き家や隠れ場所がいろんなとこに点々としてるの。ここなら、普通の場所よりはそう簡単に見つからない」
「すいません、僕のせいで」
「あなたは私が捕獲したんだから。あの武器女と逆で私、生け捕りが基本なんだ。引き渡すまでは絶対傷つけさせないから、プロとして?」
「ヒトミさん…」
「っていうか、あんた強いじゃん? 呪いなしでも全然」
「昔からコレのせいでちょくちょくあったんですけど――ここ数年、特に狙われることが多くなって、コアな人間が中には問答無用に襲われる事も…だから身につけざる負えなかったというか」
「それは呪いのレアさとか、それに喰われてる状態っていうのが、懸賞金がつかなくても、一部の間で希少価値ってとこ?」
「はい」
「武器女の時は、なんで抵抗しなかったの?」
「基本的に戦いとか、血を見るのは苦手なんで。目の前で、あれだけのものを見せられると―」
「大変だね、それは――」
ヒトミは大きく溜息をついた。
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