第2話

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「それにしても、さっきのあいつには色々たまげたわ。あれほどの奴が名前も売らずにいるなんて」 「有名になると色々動きづらいから、控えてるっぽいです。あと、今まではスーツだったんで、思いっきり意表を突かれました」 「一応、そういう奴を見つけたら、リークする義務があるんだけどね」 「やめた方がいいです。今したら確実に、ヒトミさんからっていうのがバレます。そうなると―」 「ま、そこまで命知らずじゃないけど――っていうかあいつ、本気で捕まえたり、殺す気ないよね? だって、あの強さなら、とっくに―」 「……」 「目的は何なの? あんたをどうしたいわけ?」 「それは、過去の――これに喰われた時の話が関係してくるんですけど」 「別に話したくなきゃいいけどさ」  「いえ、すいません中途半端に。ここまで巻き込んでしまった以上、ちゃんと話します」 「……」  それが束の間の休息なのか、さらなる深みにはまる事になるのか、今のヒトミには判断が出来なかった。
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