第1話

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「どう見ても賞金首って感じじゃねぇ。ずっと臭ぇんだよ、さっきから?」  「そ、そんな…」 「ならず者は、ピシッとした格好でも見分けがつくもんよ。カタギじゃねぇ目だったりでな?」 「……」 「何だ、そいつ黒なのか?」 「まさか――賞金稼ぎか?」 視線がいっせいに集まり、青年は余計たじろいだ。 「いや、誤解です。僕は―」 「僕?」 「ははっ、違うんなら証拠を見せろよ?」 「いや、ちょっと勘弁してください」 「そうだよーそんなのただのイジメじゃん?」 「誰だ!?」 怒号が響く。が、この空間にそれらしき、女の姿はない。 「こっちこっち?」 声が続く。皆辺りを見回すと、窓の一つが半分ぐらい空いている。そこから誰かが口を挟んできたようだ。
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