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「どう見ても賞金首って感じじゃねぇ。ずっと臭ぇんだよ、さっきから?」
「そ、そんな…」
「ならず者は、ピシッとした格好でも見分けがつくもんよ。カタギじゃねぇ目だったりでな?」
「……」
「何だ、そいつ黒なのか?」
「まさか――賞金稼ぎか?」
視線がいっせいに集まり、青年は余計たじろいだ。
「いや、誤解です。僕は―」
「僕?」
「ははっ、違うんなら証拠を見せろよ?」
「いや、ちょっと勘弁してください」
「そうだよーそんなのただのイジメじゃん?」
「誰だ!?」
怒号が響く。が、この空間にそれらしき、女の姿はない。
「こっちこっち?」
声が続く。皆辺りを見回すと、窓の一つが半分ぐらい空いている。そこから誰かが口を挟んできたようだ。
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