4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、言葉は全然通じないし。無愛想で、たまに意味不明の行動とか取ってくることもあるけど、基本良くしてもらってる」
「あの褐色の、妙な模様を施した奴らか…確かに、島で何度か見かけたが――この宴には、それらしい奴らは参加してねぇな?」
「最初っからそうだよ。必要最低限の交流以外は絡まないんだ。でも―」
「くっくっ」
マトフは含みのあるような笑い方をした。
「何だよ?」
「そいつらと、共同生活なり共同作業をしたことは?」
「だから、住み分けてんだよ。ウチは、サバイバルに慣れてる人たちも多いし、木の上に作ったシンプルな家だけど、慣れれば―」
「そいつら、自分たちの生活や習慣に立ち入ることを極端に拒んでねぇか?」
「そうだけど、それについてうちのリーダーたちは、あっちにはあっちの生活があるからって言ってたぜ?」
ヴィムは段々ムキになってまくし立てた。
「まぁ島に打ち上げられて、困ってた所を、食い物とか分けてもらったし、今でもたまに狩りの獲物とか木の実とか―」
「くっくっ」
「何だよ?」
「いや、なるほど。そういうことか。ところでお前ら、ここを出てく気はねぇのか?」
「それも考えてたらしいけど、人知れず暮らしてくには、結構うってつけで快適だからって、原住民たちとも衝突がないし」
「ふっ…くくくっ」
「だから何だよ、その笑い? 何がおかしいんだよ!?」
最初のコメントを投稿しよう!