第3話

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彼らはいっせいに大酒飲みの男に襲いかかった。 「ぐああああっ ぐっ」 彼は全身を噛まれ為す術もなく崩れ落ちた。  「そ、そんな――ほんとに…?」 ヴィムが息を飲んで、その光景に驚愕していると、不意に草に触れて音を出してしまった。 男に喰らいついていた、原住民たちがいっせいに振り向く。 「うわ、しまっ―」 ヴィムは逃げ出すが、彼らはすごい勢いで追いかけてきた。 「助けッ 誰か―」 ヴィムは叫んだ。しかし、ここは森の中だ。 「おい、大丈夫か!?」 マトフが草むらから手を差し伸べた。 「おっさん!?」 「お前が森に入っていくのが見えてな、こっちだッ 早くしろ!?」 マトフはヴィムの手を強く引っ張って、駆け出した。
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