4人が本棚に入れています
本棚に追加
「だって そんな 俺 俺が―」
ヴィムはわけが分からずに駆け出した。
「ヴィム、どうした!?」
ヴィムがいることに驚いて近づいてくる部族たちの間をすり抜けていった。
そのまま獣道を転げるように、駆けていった。
「くっそッ くっそッ あいつ 騙しやがったなぁ あの野郎ッ どこに――」
すると、突然 誰かに掴まれて草むらに引き込まれ、そのまま地面に叩きつけられた。
「がっ ごほっ」
「よう? 探してたんだろ?」
見上げると、マトフだった。
「俺もだ」
「てめぇ…」
「いやー助かったぜ。もう少し遅れたらアウトだった。おかげで、完全復活だ」
マトフは今まで見たこともないような邪悪な笑みでヴィムを見下げていた。
最初のコメントを投稿しよう!