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残ったのは、先程脅されたままの姿勢で呆然と隅っこに立ち尽くしていた青年のみだった。
彼女はゆっくり青年に近づく。
「で、君はガチの賞金首?」
「は、はい…多分その―」
「へぇー見えねぇ? まぁいいや、どっちにしろ――死ね」
「え、ちょっと―」
武器女が青年を刃で一閃しようとした瞬間―
どこからか、ふわりと飛んできた毛布がそれを阻んだ。
「誰だッ 邪魔すんな!?」
武器女は激昂して口調を荒らげた。
「おー怖。だって、毛布にくるまって気持ちよく寝てたらさ、いきなり騒々しいから?」
毛布をマント代わりに羽織った女が、青年の前に立ちふさがっていた。
「聞いてねーよ、そんなの?」
「いやーさっきから聴こえてきたんだけど、確かに賞金首狩ってくれる、賞金稼ぎ様は立派だけどね? だからって、やたら殺して回らないでよ? ますます世の中が物騒になるじゃん?」
「るっせーな!?」
円盤を振り回すが、彼女の身のこなしもかなりのもので、なかなかで当たらない。うすい毛布を使ってひらりとかわす。
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