第1話

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第1話

一人の女が崖の上から眼下を望んでいた。 彼女はさっきから渓谷を何台もの列車が通過するのを見送っていた。目ぼしい列車をずっと探していたのだ。 そして、それからさらに何台も過ぎ、とうとう目的のそれが走ってくるのを見つけるとニィっと笑って目を光らせた。 「あは、金の匂い――それも大漁♪」
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