九章 監獄の赤い燭

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・ 我の力を分け与えるということは、代わりに我に命を捧げるということ── 鮮烈な痛みにキュバスの呼吸が止まる。 ふくよかな乳房から溢れる生き血。 人間と交わる種族なだけに、生き血の味も人間に近しい。 ぶるぶると柔らかな肌が震える。痛みのショックにキュバスの躰中が痙攣を起こし始めていた。 「可愛い下僕に痛みだけでは酷だろう」 グレイは心臓の生き血と同時に乳房を貪りながら猛る下半身を露にした。 吹き出したキュバスの汗が糸を引く。肌を被う薄手の布をひき千切るとキュバスの粘膜も露な部分が曝(さら)された。 そこはぐっしょりと濡れそぼり淫魔特有の香りを放つ。 グレイはそこへゆっくりと手を這わした。 「ああっ…」 生き返ったようにキュバスの唇から喘ぎが漏れた。腫れた割れ目の筋を伝い粒の大きな肉芽にグレイの指先が当たる。 快楽も餌にするキュバスならではの肥大な肉芽は皮からきれいに固い頭を剥き出していた。 「ああっ…イッ」 痛みと快感で躰中が痺れる。身をよじるキュバスと共にグレイは石畳の床に崩れた。
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