127人が本棚に入れています
本棚に追加
・
「おはようございます」
「おはようモーリス」
別荘の朝は意外に早かった。カーテンの隙間から射し込む朝日のせいだろうか?
あの邸よりも小さい別荘ではモーリスの朝食の準備の音も耳に近く感じる。
ベットの中で聞く食器の音やフライパンを火にかける音。今朝の目覚めは何だか心地好く、幸せさえも感じてしまった。
ルナは着替えを済ませてキッチンへ向かうとモーリスに挨拶をしながら手元を覗いた。
「ねえ、あたしにも何か手伝わせて」
ルナの申し出に一瞬だけ驚いた表情をしたがモーリスは直ぐに笑顔を返していた。
「よろしいですとも!」
魔力で操っていた動きを止めてどうぞ、と占領していたキッチンを半分ルナに譲るとルナは嬉しそうに笑った。
最初のコメントを投稿しよう!