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歌声は初めて聴いたが、バックに流れる曲のボーカルが陽太の声だ。映像のギターを弾きながら歌う人物のシルエットもそうだ。
「うそ……」
「関谷ってこういう系好きなんだ。ちょっと意外」
息を呑んでいた関谷に、瀧川が画面を指さした。
「いや……あの、……」
「ボーカルの子、この間カミングアウトしたんだよね。ちょっと話題になってた」
「カミングアウト……ですか」
「ゲイだって。ファンは若い女の子が多いから、大変な騒ぎだったみたいよ」
画面の中ではちょうど、その話題に触れていた。
「陽太さんのカミングアウト、一部ではメジャーデビューの話題作りだなんて言われてますが」
彼は司会者をしっかりみつめ、覚悟を決めたように頷いた。
「タイミング的に、そうとられてしまうのは仕方ないんかなと思います」
「少し前にあった、例のタレントさんの件と関連はありますか?」
「うーん……関係なくはない……かな」
「あ、これって結構人気のあるタレントがこのボーカルとつきあってるって交際宣言しちゃったんだよな。ストーカーって噂もあるけど。彼女の所属事務所が火消しに必死だったけど、動画は拡散されまくって……ネット社会の怖いところだよね」
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