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「二代目のドラ息子がまた気まぐれを起こしたって、思われてるんじゃない? まあ、そんなことはどうでもいいけどな。肝心なのは仕事の精度だ」  どうして会社の嫌われ者だった関谷を自分の秘書につけたのか質問したとき、瀧川はそううそぶいた。 「それよりも、最近元気がないようだね。一時期はすごく……」 「すごく?」 「穏やかなんだけど雰囲気がすごくエロかった」 「なっ……に……言って、るんですか……」 「幸せそうだった、ってことだよ」  飄々としているようで、観察眼の鋭い瀧川には関谷の変化などお見通しのようだ。いつものように反論できず、言葉に詰まってしまう。気を抜くと涙がこぼれそうになるのをこらえるために、ぐっと唇を噛んだ。 「車を回してくるから、ここで待っておいで」  仕事はもう終わり。プライベートでいいところへ連れて行ってあげると微笑んで、瀧川が車を取りに行った。
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