7/33

244人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
 関谷は営業課からあがってきた書類に目を通していた。  営業課に内線を入れると、書類を作成した担当者がちょうど帰社したところだった。退勤時間間近の連絡を詫びてから、書類の内容でわからない部分があると伝えた。担当者は関谷の拙い質問にもひとつひとつ丁寧に答えてくれるが、ずっとそうだったわけではない。  はじめは素人の口出しだとあからさまに嫌な顔をされた。専務付の秘書とはいえ、部外者である関谷の細かい質問に、見当外れだと舌打ちをされたこともあった。  瀧川はコミュニケーション能力が非常に高く、柔軟な姿勢で仕事にをこなし、役付きに胡座をかくような傲慢さがないの周囲の印象は概ね良い。営業マンとしても優秀で、今でも現場に出たら、営業課でも右に出るものはいないと言われるくらいだ。     
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

244人が本棚に入れています
本棚に追加