聴覚のキオク

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ラジオから聞こえるその声はあの人の声に似ていた。 その人ではない。 ただすごく似ている、のだ。 『今日のゲストは…… たぶん今人気のアーティスト。 曲がかかれば、聞いたことがあると思うぐらいメジャーな人。 パーソナリティが彼の紹介をし、彼がそれに相槌を打つ。 曲のイメージとは違い、時折笑いをいれつつ質問に答える彼。 ―――ダメ、似てるなんてモノじゃない まるで彼そのもの。 胸の奥がシクシクと痛み出す。 彼じゃない。 ただ声が似てるだけの人。 わかってるのに それなのに
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