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桜の花びらと同じ、淡い薄紅色の髪の女。彼女の顔がハッキリと見える距離まで近付いた時、僕は言葉を失った。
彼女があまりに美し過ぎたのだ。
風になびく薄紅色の髪。透明感のある白い素肌。髪と同じ色の長いまつ毛。華奢な身体からは、彼女の儚げな雰囲気が漂っていた。
なんと声をかけていいかわからないでいると、彼女の視線と僕の視線がぶつかった。
「あなたには私が見えるのね」
私が見える?
謎めいた言葉を発した彼女の口元はわずかに微笑んでいた。
その時からだった。
僕が彼女に恋したのは。
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