2人が本棚に入れています
本棚に追加
「でもね、私は人間とは別の存在。だから、私があなたに返せるものは、好意以外に持っていないのよ」
彼女が僕に好意を抱いてくれるなら、それ以外は僕にとっては大した問題ではなかった。
「別にかまわないよ」
「本当に?」
どうして彼女がそんなに念を押すのか、僕にはさっぱりわからなかった。
「あなたがどんなに強く私のことを思っても、私は好意以外は返せない。そして同時に、あなたが私に好意を持つことで、あなた自体が縛られることを私は望まない」
僕が彼女に好意を持つことで、どうして僕が僕自身をしばることになるのか。その話を聞いた時の僕には、正直その意味がよくわからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!