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その時、物音とともに現れたのは肉食獣の顔の皮をはぎ取ったような醜悪で狂暴そうな異形の者だ。じわりと美麗ににじり寄る異形の者。突然、玄関のドアが開き、中年の女性が3人入ってきた。
「久我さん、大丈夫ですか、すごい悲鳴聞こえたからみんなで来たよ」
大きな声に驚いで異形の者は、ぎょっとして美麗に背を向け裏庭に向かって走っていく。
無表情のまま立ちすくんでいる美麗。
心に浮かぶ映像をかき消すように虚空を包丁で突き続けていた美麗、やがて息が荒くなり包丁を机の上に置き、鞘にしまいこんだ。手拭いで包丁をくるんで小型のリュックサックに入れる。
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