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閑静な一戸建て住宅街、このあたりでは標準的であるが、やや古い庭付き2階建ての家屋。その前の道路に停車した黒い高級外車から降り立つ細身で長身の黒スーツの男・岩井、眼鏡をかけ、いかにも寡黙で従順な秘書という雰囲気。手には黒く細長い管楽器を入れるようなケースを持っている。
壁はコンクリートの打ちっぱなしで殺風景な広い部屋の中、岩井に向かい合って立っている若い女性、久我 美麗、二十歳の女性らしい端麗な容姿と全身を黒で統一した服装。
「美麗さま、先日メールでご説明しました今回の新製品、ソードキラーでございます」
「あはは、面白い製品名ね」
刃渡り30センチぐらいの小刀を持ってみる美麗、見たところ何ら特徴のない刃物である。
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