イントロスコピー（透視）

第3話「暗殺者養成所」

訓練期限の2年が近づいたある日、アマンダの卒業試験が実施された。
真っ白な壁で四方を囲まれた地下室に会社の女性事務職員といった地味な服装のアマンダが一人立っている。しかし、彼女の全身にはあらゆる暗殺のための武器が仕込まれているのだ。壁の一面にだけ大型の長方形の鏡が設置されている。それはマジックミラーになっており別室から他の訓練生と教官のジェームスがアマンダの卒業試験を見ている。ジェームスがみんなに説明する。
「卒業テストの一人目はアマンダだ、今から彼女の家族を殺した男がアマンダの前に現れる。2年間の訓練の成果で男を殺すことができれば合格だ。だが、逆に殺されるようなことがあればそれで終了だ、何か質問は」
「ありません」
全員が声を揃えて答えたが、すでに視線はアマンダに集中していた。