第4話「美麗の恋」

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精神保健福祉センターの建物。住民の心のケアを目的とした公的な建物らしく質素な外見の3階建てのビル。建物前の駐車場には心の癒しを目的としているのか樹木の植え込みが多い。 相談室では、美麗と精神相談員の小林がテーブルをはさんで向かい合い話している。 小林は年齢27歳のスマートで容姿端麗な男性、現在20歳の美麗は憧れの表情で嬉しそうに話している。心を病む人の話を聞いて、アドバイスなどのケアをするのが小林の業務だ。 「最近も人の顔が妖怪みたいな化け物に見えたりする症状はつづいているの?」 「はい、続いていますよ」 「どんな感じだったっけ?」 「あ、この人は人殺しだとか、これから強盗するんだとかが化け物の種類でわかっちゃうんです」 小林、相変わらずだなあという表情。美麗は普段見せることのない明るい笑顔。
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