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健の苛立った声と同時にブツンと映像が途切れ、筐体内の無機質な金属面と青い壁の大型スクリーンが現れた。
「おい、切るなよ。これからだったのに」
不満気に呟く隼。ゴーグルを外し、いつもの癖で顔にかかる髪を掻き上げる。
「健、顔色本当に悪いよ」
ひょろ長の匠が、体型に似合いの細い腕を伸ばして額に触れた。
「熱あるよ」
「おま、馬鹿か。遊んでないでさっさと帰って寝ろや」
仲間が和気あいあいとする中で、静かに手にした銃を持ち上げる。
残弾は五。
頭数は、取り敢えず三。
親玉に叩き込むに残り二ではきついが、ワイヤーだけでもギリギリ行ける可能性は高い。
後は素早い行動あるのみ。
躊躇いなく引き金を引く。
三度。
撃ち抜く度に仲間の顔が砕け散り、驚愕に見開かれた瞳がオレを映す。
「ナイス」
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