1章

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真の親玉だ。 「健、相変わらず愛されるなあ」 現れたのは、スキュラタイプ。 しかもレアな幼女型。 幼い少女の上半身に下半身は巨大な蜘蛛。 ま、サイズが通常の女の子と違って、ビルの三階にも届きそうだと可愛いを通り越して醜悪さが際立つ。 「我の縄張り荒らす者、許さん」 人に似せた二つの複眼、額の四つの単眼がオレ達を捕らえている。 「うおっ、喋ったぜ」 「どうする? 撤退か、全滅覚悟で戦うか」 「卵嚢から子供が獲れれば、高く売れるかも知れないよ」 「一からやり直しても良いなら続けっ」 残る武器の一つ、日本刀を握り締めて言葉と共に跳躍。 何故か、やたらと狙われ易い健に向かった幼女スキュラの蜘蛛脚を一本切り裂く。 喋るタイプは初めてなだけに誰も逃げない。健に至っては自分の役割を理解して、自ら幼女の前を誘う様に逃げて行く。
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