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その後。またさっきのファミレスに戻って来ていた。青井とは別れ、今度は6人で同じテーブルにつく。
太「んで、結局どういうことなんだってばよ」
阿曾「あんた…あの流れでも理解できないってどんだけなのよ。身内として恥ずかしいわ」
太「分かるわけねぇだろ!」
阿曾がきついのって…俺に対してだけじゃないのか。なんか少しほっとしてしまう。
京司「僕もよく分からなかったけど、結局モノ探しは無駄な労力だったってこと?」
申也「やったことは無駄だったけど、結果としては無駄じゃなかったってことさ」
京司「なるほど…意味分からん」
先輩「つまりは鬼ノ城君が言ったように全て青井君の勘違いだったってことだ」
太「勘違いって?」
先輩「友人同士で同じ人を好きになった。一人がお守りを渡そうとして、もう一方はそんな友人にあげるために内緒でお守りを買った。でもそれを知らずに見つけた友人が抜け駆けしたんじゃないかと疑ってお守りを取った。でも取られた方は友人に内緒で買ったからそのことを告げれずに、その後事故に遭いお互いの誤解は晴れることはなかった」
太「なんだそれ…」
京司「さっきの青井って子最悪ジャン」
阿曾「自分で盗んだくせに『失くして探してた』なんてよくもぬけぬけと言えたものよね。自分のせいで友達まで死なせといて」
俺「なぁ……」
話を邪魔して悪いと思いつつも、つい割って入ってしまった。
阿曾「何よ?」
俺「…事故が…お守りが原因とは…」
太「でもさー運転手は女子高生が見えなくて気づかなかったって言ってたんだろ?」
俺「それは…‥」
申也「運転手が罪を軽くしたくて嘘の証言をしたかもしれない。事故の目撃者がいないのに憶測で判断するのは早計だな」
先輩「そうだな。私や鬼ノ城君は霊と話を出来るわけでも意思の疎通が出来るわけでもない。ただ“未練”を視えるだけで死因を知ることは出来ない。単に下校中に事故に遭っただけかも知れないしな」
京司「確かに…そう言われるとそうだよな…」
二人の助け舟のおかげで他の三人も納得してくれてほっとした。
でも…きっと青井も自分のせいかも知れないと思っていただろう。あんなに顔を青くして震えていたのだから。
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