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青井「…ううん…馬鹿なのは…私の方…。ホント馬鹿…私、何にも気づかなくて、自分のことばっかりで…」
声が震え頬を涙が伝うのを、ただ黙って見ていた。
青井は涙を手でぬぐって顔を上げて俺を見た。
青井「今日は…あなたに報告とお礼を言いたくて来ました。本当のことを教えてくれてありがとうございました」
頭を下げられて、俺は狼狽えた。
俺「そんな…俺は別に……」
青井「皆さんに出会わなかったら私…ずっと美優の事疑って、自分のせいじゃないって逃げてました。これからは自分の罪を償える人間になろうと思います」
真っすぐに俺を見つめる彼女の目からはもう暗い影は無くなっていた。
俺は彼女に気に効いた言葉の一つもかけてあることも出来ずに、
「ならよかったよ」
と彼女に笑いかけるしか出来なかったけど、彼女は俺を見てビックリした顔をした。「どうかしたのか?」と聞いても、青井はなぜか顔を赤くて「いいえ」としか答えてもらえず俺は首を傾げた。
結局駅まで大した会話もせずに並んで歩き、それぞれホームが違うので駅で別れた。
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