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翌朝。
教室に入りちらりと京司の席を見る。昨日彼と教室で会ったけど特に会話は交わさなかった。彼はもう座っていたので挨拶をするべきか迷い、結局内気な俺は勇気を出せずにすごすごと自分の席に着いた。
太「おーい京司~英語のノート貸して~。あ、鬼っちおはよーっス」
教室全体に動揺が走ったのも気にせずに太が近づいて来た。
俺「お、おぉっ」
あーなんでおはようって言葉が出ないんだ俺は!
太「今日放課後部室に集合な!」
俺「…分かった…」
太「んじゃ後でなー」
手を振って京司の席に行く太に、俺も片手を上げて応えた。
「なんで赤鬼が他のクラスに人と?」「部活ってなにそれ?」「すっげー赤鬼に話しかけてるヤツ初めて見た」
教室では何事かとヒソヒソと話をしているのも気にならないぐらい気分が高揚している。
一昨日の出来事は夢じゃなかったのか…。
自然と緩む口元を抑えきれなかった。
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