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感情は何処にあるのだろう？
心は、魂は、何処に？
死なない……死ねない身体を持ち、私は時折そんな事を考えた。
視て、聴いて、嗅ぐ。触れて、感じる。
それらの情報は、脳へと運ばれ、そこで処理される。
それなら、感情は、心は、魂は、きっと頭にあるんだろう。
そんな事を、考えていた。
きっとその考えは、間違っていないのだろう。
私の四肢は切り離されると、そこから肉体を再生する事はせず、時が経てば腐っていく。しかし頭は、それだけになっても肉体を再生する。
そして私は私のままだ。
それだけは、この世界で私にとっての唯一の真理だった。それだけが、私とこの世界との均衡を、どうにか保つものだった。
今、それが崩れようとしている。
私は私ではなく、女ではなく、そして男でもない。
私は何なのか。
全てが崩れていく。
私は私の崩れる音を、口から発しているのだ。
その時、
「黙れ」
意志を持った声が、私の崩れる音を止めた。
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