壱の回 ピエロは夢の中で笑う

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「椿」 どこからか、名前を呼ばれた気がした。 綺麗な男の声。 一体、誰の? 「聞こえているのでしょう、椿」 聞こえる。 でも、聞こうと思えば思うほど、声は遠ざかっていく。 誰? 誰なの? 「誰かって? それはあなたが知っているのですよ、椿」 知らない。 本当に、誰なの? 「わからないのですか? あなたが作り上げたのに。」 わたしが……? 「ピエロは好きですか?」 ピエロ? 何を言って……。 「ピエロガ、オマエヲ殺シニクル」
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