0人が本棚に入れています
本棚に追加
わたしは飛び起きた。
雨戸の隙間を通して、朝日が入ってくる。
「今のも、夢……?」
あれが夢?
現実と変わりなかった。
いつものふわふわした感じはない。
絶対に、現実だと思ってたのに。
とにかく、一階に降りよう。
もし、今も夢でも、今日は平日。
現実通りに登校しよう。
「おはよう。」
「珍しいね、姉ちゃんがギリギリまで寝てるなんて。」
え?
わたしは、目の前のことが信じられなかった。
「楓?」
唖然として見ていると、
「何バカみたいな顔して見てんだよ。遅刻するぞ。」
楓……やっぱりいるんだ。
そうだよ、だっておかしい。
わたしには実際に弟がいる。
いないほうが変なんだ。
わたしは嬉しいのとホッとしたのを隠して、朝の支度を済ませた。
「うわっ、もうこんな時間! いってきます!」
最初のコメントを投稿しよう!