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「え?青山さんが、彼女に?」
食事へ誘った晩、おもむろに切りだしたら、ギョッとして目を見開いた。
「急にそんな。どうして?」
あんまり嬉しくなさそうだな。なんでだよ?
職場人気№1の女ですよ?私。
高嶺の花でしょ?キミにとったら。
…思って、とびきりの笑顔を相手に向ける。
自分が最も美しく見える角度でニッコリ。
「赤坂君のこと、前から気になってたんだ。
もし今つき合ってる人がいなかったら、私でどうかな?って」
「あハイ、まぁ。つき合ってる人は、いないですけど…」
ほらやっぱりね。
それにしても、なに?その納得のいかない表情。
まさか断る気じゃないだろうな?赤坂のくせに!
「じゃあ、あれかな?
好きな人がいたりするの?」
プルプルと首をふる相手。
そういう仕草が犬みたいで、ちょっと可愛いと思ってる。
ちなみに気に入ってるのは、それぐらい。
でも、そんなくらいが、ちょうどいいでしょ?
ドキドキとかヒヤヒヤとか。そんなの、もういらない。駆け引きも必要ない。
危険地帯を、綱渡りするような関係は嫌。
胸が張り裂けるような思いは、二度としたくないから。
求めてるのは安定した恋。安全第一!
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