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合宿で何度も呉の裸は見たことがあった──。
他の部員ほど呉は日に焼けてなくて、筋肉質な方でもない。いつも風呂の中で一年生と身体つきがあんまり変わらないなと思っていたくらいだ。
のぼせ易い呉は熱い風呂も長風呂も苦手で、いつもフラフラと先に浴場を出て行く。
「全身ピンク色で、小さい尻だなって思ってたんだよなぁ……」
「なに? なんか怪しい言葉が口から漏れてるけど大丈夫?」
抱き締めた細い身体から不安を覚える声が胸に響いて伝わる。少し身体を離して見つめ合った赤穂の瞳は熱を帯びていて、呉は心臓が早く鳴るのを感じた。目線を唇に落とすと、望み通りにキスをくれる。
今日初めてキスをしたのに、何かの一つ覚えみたいにもう何回も繰り返している。触れるだけの甘いキスだけど、ずっと渇望していたせいか、それだけで脳みそが溶けてしまいそうだと呉は思った。チロリと赤穂の唇を舐めると、少し驚いてはいたが、すぐに赤穂の舌が触ってくれた。初めての感覚に思わず声が漏れた。
そのままもつれ合うみたいにベッドに二人で倒れ込む。重なった下半身がお互いにもう反応していて、こすり合わせるみたいに赤穂が動くと呉は湿った吐息を漏らした。
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