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信長の疑問に政影は自分の考えを話し始めた。
「軍議の内容を聞きましてから、信長様の動きを疑問に思い、もしや城内にいるかもしれぬ敵に心中を察せられぬためではないかと思いましていつでも行動できるようにと指示を出しておりました。」
政影の話を聞いた信長は驚いていた。
「父上が恐れるほどの才覚を持つ聞いていたが、倉内の力は本当のようだ。」
父、信秀から聞かされていた倉内家の話を冗談半分だろうと考えていた信長は考えを改めた。
「恐れ入ります。」
「一つ問う。政影よ、お主はこの戦をどう見る。勝てると思うか。」
「勝てます。信長様が動いたと言うことが何よりの証拠でございましょう。」
「ほう、うつけと言われるこの我をそこまで信用するか。」
「うつけのふりをして尾張などいつでも落とせると油断させるための策ですから。信長様がたぐいまれなる才覚の持ち主なことは存じております。」
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